You are currently viewing 郵便や宅配への苦情が増加するドイツ

郵便や宅配への苦情が増加するドイツ

ドイツ、郵便や宅配に関する苦情が急増との報道が

昨日のニュース、「行政官庁の調査で郵便や宅配に関する苦情が急増している」ということが判明したようです。

記事中にはドイチェ・ポストの担当者が「苦情が増えているのは理解できない。」とか「100万の郵便に対して発生する苦情件数は1件程度とわずか」と反論しています。

でも、ドイツ在住の日本人はもちろん、ドイツ人も「我々の声を聞け!」とドイチェ・ポスト担当者に直接物申したくなるくらい、ドイツの郵便事情は悪いのです・・・。

先進国なのにどうしてこんなにも郵便事情が悪いのか、今回はそのお話です。

カリーヴルストとポテト

ドイツに関する他の記事はこちらから

朝ごはんの時にドイツ人が見分けられる方法、ベルリンで観られる変な建物、地元民から愛されるカリーヴルストのお店、ラピュタの世界が広がる鉱山など

問題なのは封書やハガキではなく、小包などの「自宅ポストに入らないもの」

ドイチェ・ポストのプレス担当の「100万件の郵便に対して苦情は一件程度」という反論、これは確かにそうだと思います。だって、この100万という数には封書やハガキが含まれていると思われるから。

ドイツでも封書やハガキは比較的、問題なく届くんです。それは郵便受けに入れればいいから。問題はポストに入らない小包や荷物

毎月、1回くらい同じ建物の住人が「ウチ宛の荷物って届いていない?」って尋ねてくることがあります。

小包や大型の荷物、受取人が不在だと同じ建物内で在宅している家に預けていくこと多いドイツ

その際、配達員が預かり先の名前を書いたメモを受取人の郵便受けに入れていくことになっているのですが、これが入っていないことが頻繁にあるのです。

知りたいのは近所の「誰」に預けたのか

オンラインで配送履歴がチェックできる場合、表示されるのは「ご不在のため、ご近所の方に預けました」という情報のみ・・・。

知りたいのは「一体、誰に預けたんだよ?」ということ・・・。

まだ同じ建物内の住人に預けられているなら、預かった荷物が2〜3日経過しても引き取りに来ない場合、「ウチで荷物預かってるから取りに来て」と書いた付箋をドアやポストに貼っています。

もっと困るのは「同じ通りの誰かに預けられている場合」・・・。

以前、荷物を受け取った際に近所の人の荷物を半ば無理矢理に置いていかれたことが。そのうちのいくつかは同じ通りの別の建物・・・。

「この通り、全部回るの面倒だから、この家に全部置いていこう。」ってことだった?

思った通り、預け先の住所と名前を記入した不在票が投函されていなかったようで、いつまで経っても誰も取りに来ない・・・。なので荷物を持って、知らないお宅にも配達に行きました、私が・・・。

在宅しているのに不在扱い、再配達も不可

このような状況なので大切な荷物が届く時には極力、家にいるようにしています。

配達履歴を常にアップデート、お届け予定時刻近くには不在にならないように努力していても、いきなり履歴に

「ご不在のため、荷物預かりステーションに配送しました」

という表示が出ることがあります。

「えっ?私、ずーっと家にいますけど?!というか、呼び鈴すら鳴っていないしっ!」

階下の郵便受けを見ても、不在票すら入っていない・・・。

カスタマーセンターに「不在じゃなく、今日はずっと在宅していました。不在票も入っていないので、預かりステーションから自宅まで再配達してください」と連絡。

カスタマーセンターからは

「お客様不在のため、荷物預かりステーションに配送しています。身分証明を持って下記住所まで荷物を引き取りに来てください。」とテンプレ的な回答が返ってきます。

自分に非がなくとも再配達はない、これがドイツの宅配の実情・・・。

ドイツの食べ物

定番のソーセージだけじゃない、ドイツの謎デザートやドイツ式プリン、学校給食などレアな現地情報

他人から送られてくる小包 ドイツ国内の場合

でも、自分で手配した配送履歴がチェックできる荷物はまだいい方、もっと大変なのが「他人から送られてくる配送履歴がチェックできない荷物」

まずはドイツ国内の場合、某フリマサイトで購入した品物が全く届かないことがありました・・・。出品者に問い合わせても「送った」との一本調子。配達履歴が表示されない小包で配送されたため、行方が全く分からない・・・。

そこそこ高額なものだったので、ショックが大きかったのですが、追跡可能な高い送料の配送を指定しなかった自分たちの責任と諦めました。

それから2ヶ月経過、ある日、ウチの呼び鈴にメモが貼り付けてありました。

「御宅当ての小包を2ヶ月くらい預かっています。取りに来てください」と。

メモに書いてある住所は同じ通りだけど、かなり離れている場所。預かってくださった方の部屋の入り口には無理矢理置いていかれたと思われるおびただしい数の小包が積み重ねられていました。深々とお礼を言い、奇跡的に手に届いた小包を持って自宅へ。

私たちは運が良かったと思うのですが、このような場合、荷物の預かり先を探すのは非常に大変です。

他人から送られてくる小包 外国からの場合

ドイツ在住日本人あるある「日本から送ってもらった荷物が日本へ返送された」。私も何度も経験しています・・・。

海外から送られた荷物が物品の場合、税関のチェックが入ります。品物の金額によっては税金を払うため、居住地区の税関まで出頭し、荷物を受け取りに行かなくてはいけません。

通常、自宅ポストに「税関まで取りに来るようとの通知」が届くはずなのですが、これが入っていないことが本当に多い・・・。

追跡機能が付いているEMS、補償が付いているから安心と思って選択する人が多いと思いますが、私の経験からは無事に自宅まで到着する確率は6割強といった感じ・・・。

受け取りに来ない場合、一定期間を過ぎると税関から発送国へ返送されてしまいます。でも、通知が自宅に届いていないと、自分宛の荷物が税関にあることを知らずにこの期間が経過してしまうことも

通知は来ていないけど、履歴を見たら税関にあることが判明、パスポートと住民登録を持って取りに行ったことが何度かあります・・・。

日本から荷物を送ってもらう場合、EMSのように追跡機能が使える荷物なら、その番号を教えてもらい、こまめに履歴をドイツのDHLのサイト日本の郵便局のサイトでチェックすることをお勧めします。

ドイツの担当者は小包配送の実情を知るべき

悪い例をたくさん挙げましたが、もちろん、中にはきちんと配達してくれる人もいます。コロナ禍でもたくさんの荷物を届けてくれた配達員の方には心から感謝しています。

でも、荷物が届かない、荷物がどこに預けられているか判らないというのは「なんのための送料?」と思わずには入られません。いくらサービス砂漠のドイツでもこれはひど過ぎる・・・。

荷物が無事に届くまでこんなにストレスを感じる国ってそうそうないと思います。ニュースになったドイツの郵便配達への苦情の調査結果、各配送会社の担当者の方々は苦情に目を背けず、少しでも改善に努力して欲しいと思わずに入られません。