『ふたりのロッテ』を読むとウィーン観光が2倍以上、楽しくなる

『ふたりのロッテ』を読むとウィーン観光が2倍以上、楽しくなる

原書の出版から70年を迎えるドイツの児童文学、『ふたりのロッテ』。日本ではそこまでメジャーな作品じゃないのかもしれませんが、

「夏休みのキャンプに参加、そこで知らない街から来た子供たちの中に私と瓜二つ、全く同じ顔をした子が!」

こんな話、どこかで聞いたことありません?これ、元ネタは多分、『ふたりのロッテ』のハズ。

ホテル・ザッハのザッハトルテ

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ふたごが主役、ドイツの児童文学

「キャンプで偶然知り合った同じ顔をした女の子、実はこの子は双子の姉妹だった。二人はそれぞれに入れ替わって、もう一人の親に会いに行く」

ハリウッド版、ミュージカル、アニメにも

どっかで一度は聞いたことがあるようなお話でしょ?これ、ベースになっているのはドイツの児童文学作家、エーリッヒ・ケストナーの『ふたりのロッテ』。

舞台をアメリカに変更したハリウッド版が90年代に2本製作されているのですが、一つはオルセン姉妹が主役、もう一つはリンジー・ローハンが一人二役を担当。当時、絶大な人気を誇っていた子役が出演していたので、ハリウッド版を観たことがある人が多いのでは?

日本では60年代に翻訳され、何度かミュージカルとして上演されています。90年代前半にはアニメにもなっているんです。知ってます、当時の人気アイドル、Winkが主題歌を歌っていたんですよ。

ドイツ語原書『ふたりのロッテ』
ウィーンが舞台、でもそれだけじゃない

話をオリジナル版、「ふたりのロッテ」に戻しましょう。

自分たちが双子の姉妹だと気がついたふたり、キャンプの終わりに双子の大冒険が始まります。ミュンヘンでお母さんと暮らしていた少女、ロッテはお父さんと暮らすルイーゼに入れ替わり、ウィーンへ。

「ウィーンが舞台にはなってるけど、実在するスポットが存在する訳じゃなくって、架空のものでしょ?」と思う人も多いと思います。実際、私もそうでした。でも、今回、ウィーン旅行が決まって、「ふたりのロッテ」の舞台だったことをふと思い出し、何気なくお話をチェックしてみたら、びっくり、物語に出てくるウィーンの場所、ほとんど実在するんです。しかも、ウィーンに来た人が観光で回るような場所ばかり。

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「ふたりのロッテ」の舞台はウィーン観光の要所だらけ

パルフィ家のある「赤い塔の通り」

ウィーンに住んでいたのはお父さんと暮らすルイーゼ・パルフィ。ミュンヘン育ちのふたご、ロッテがそのルイーゼに扮して向かうパルフィ家、その場所は日本語翻訳で確か「赤い塔の通り」だったと思います。ドイツ語の原書では「Rotenturmstraße」、日本語訳、そのままの名前です。この通り、本当にあるんです。じゃ、どこにあると思います?

Schwedenplatz駅の近くからシュテファン大聖堂まで続く大きな通り、これがルイーゼとお父さんが住んでいる家がある「赤い塔通り」。これを聞いてもピンとこない人でも、ウィーンで一番人気のあるアイスクリーム屋さん「Zanoni & Zanoni」本店の横の通り、オーストリアの国民的スイーツ「Manner」のフラッグシップ・ショップがある通りと言ったら、「あぁ!」となるハズ。ね、ウィーン観光で絶対に来る場所でしょ?

カペルマイスターの職場とアトリエ

お話の中でオペラ座で指揮するお父さんにロッテ(ルイーゼに化けた)が手を振るシーンが出てきます。ウィーン・オペラ座のカペルマイスターのお父さんの仕事場、オペラ座は誰もが知っている実在スポット。カペルマイスター、つまりオペラ座管弦楽団の指揮者であり、さらに専属の作曲家であるお父さん、そのため、お話の中でオペラ座がよく出てきます。

お父さんの婚約者と一緒にルイーゼのフリをしているロッテがお茶をするシーンがあります。このシーンはお父さんの仕事用のアトリエ。このアトリエがある場所、日本語訳は確か「環状通り」、原書では「Kärntner Ring」と書いてあります。この通りも実在の通りです。どこだか分かります?オペラ座の前にトラムが走っている大きな通りがありますよね、あの通りなんです。観光でオペラ座に来たら、絶対にここも通りますよね。

環状通り
お父さんとルイーゼの行きつけのレストラン

ルイーゼになったロッテがお父さんと会ってから、最初に訪れた場所が日本語で「インピリアル・ホテル」と訳されていたホテルのレストラン。これも本当にあるんです。

お父さんのアトリエのあるKärntner Ringと同じ通り、ウィーン楽友協会の隣の高級ホテル「Hotel Imperial」、発音的にはインリアルになりますね。お父さんはウィーン・フィルを指揮したこともあるという設定だったので、楽友協会も仕事場の一つだったのかな。こちらも日本人なら、ウィーンで絶対に行きたい場所の一つですよね。

日本語訳の本で、ルイーゼは「ここで大好物のオムレツを最低でも5個食べる」というようなことが書いてあった思います。でも、原書を見たら、コレ、日本のオムレツとは別物でした。ドイツ語で「gefüllte Eierkuchen」という食べ物。「一体、どんなお料理?」と気になった方はこちらをどうぞ。

「オムレツを5個、軽く平らげる」という設定にちょっと違和感を感じていたのですが、原書を読んで納得。これだったら、5個以上、余裕で食べる子もいるでしょうね。ホテルのレストランのサイトでは該当する食べ物が見つからなかったのと、あまりに高級感あふれるレストランだったので、私たちは行かなかったのですが、今、ホテルにあるカフェのサイトをチェックしたら、カフェのメニューにPalatschinkenの文字を発見!しかもgefüllte!!!

コレ、コレですよ、ルイーゼの大好物は!オーストリアではこの名前で呼ばれる食べ物です。オーストリア料理によく使われるある果物のジャムと子供が大好きなソースをフィリング(gefüllteは中に詰めたという意味)として選べるみたいです。ルイーゼは多分、全種類制覇してるんでしょうね。

「ふたりのロッテ」を読んだら、このホテルのカフェでお茶したくなること、間違いなし。ルイーゼみたいに何皿も平らげたり、ロッテの気分でご飯ものを頼んだら、お茶の時間がさらに楽しくなりそう。旅行前に知っていたら、絶対に行ったのに・・・・。

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まとめ

ね、どこの場所もウィーン観光で行く場所やすぐ近くでしょ?観光と一緒に「ふたりのロッテ」聖地巡礼ができるんです。

「ルイーゼの家はどれだろう?」とアイスを食べながら通りの建物を見たり、トラムに乗りながら「この景色をロッテも見たのかな?」と考えたり、なんだか物語の中に入ったような気分になりました。ロッテとルイーゼのおかげで2倍(原語のタイトル”Das doppelte Lottchen”のdoppelteは2倍という意味)以上、楽しくなったウィーン観光でした。

2019年の年末から新年にかけてウィーンを旅行予定の方に耳寄りな情報。本の中でお父さんがオペラ座でフンパーディンクのオペラ「ヘンゼルとグレーテル」を指揮するシーンがあります。2019年12月末、2020年の1月初旬にウィーン・オペラ座で「ヘンゼルとグレーテル」、上演予定です。子供向けのオペラと言われますが、大人でも楽しめる作品、今ならまだチケットも取れそうですよ。

観光名所巡りに飽きてしまいがちな子供も「ふたりのロッテ」を読んで行けば、きっと目を輝かせてウィーンの街を回ってくれると思いますよ。そして次は「ルイーゼがロッテになって行ったミュンヘンに行きたい!」と言いだすかも。